ヤマハがモトクロス競技用モデル「YZシリーズ」の2027年モデルを発表し、2026年9月25日から順次発売される。今回の注目は、8年ぶりの新作エンジンを搭載した「YZ250F」と、エンジン・車体ともにアップデートを受けた「YZ85LW」「YZ85」だ。その特徴を紹介するとともに、「YZ450F」「YZ125」「YZ65」についても触れる。
なお、YZシリーズはモトクロス競技用モデルのため、ナンバープレートの取得はできず、公道走行も不可。購入を検討する際は、ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店での予約受付期間も確認しておきたい。
8年ぶりの新作エンジンでYZ250Fが本気の進化

2027年モデルのYZ250Fは、もっとも大きな進化をとげた一台だ。最大のトピックは、8年ぶりに全面刷新された新作249㏄エンジンの搭載。騒音規制への適合を図りながら高回転化を実現し、全域での出力向上とトルクアップを追求している。
吸気側にはロッカーアーム式、さらにフィンガーフォロワー式を採用し、バルブリフト量を確保しやすい構造とした。これによりレブリミットは2026年モデル比で700r/min向上。吸気ポート形状の最適化や圧縮比アップも行なわれ、より高いスピードを長く維持しやすいエンジン特性を目指している。
クラッチにはYZ450Fと同様の油圧式を採用。連続走行時でもミートポイントが変化しにくく、レース中の調整負担を軽減する。レバー操作荷重も抑えられており、半クラッチの扱いやすさやつながり感の向上にもつながっている。
車体面では、YZ450Fと共通のメインフレームを採用。高いスタビリティとコーナリング性能の両立を図り前後のエンジンブラケットを見直すことで、安心感のあるフィーリングをねらった。さらに前後サスペンションはYZ250F専用セッティングとし、リヤには新型ベースバルブを投入。路面追従性や衝撃吸収性も高められている。
リヤブレーキはディスク径をφ240㎜からφ220㎜へ小径化し、キャリパーやマスターシリンダーも小型化。システム全体で180gの軽量化を実現しながら、リニアな制動力の立ち上がりをねらっている。エンジン、車体、足まわり、ブレーキまで手が入ったYZ250Fは、2027年モデルの主役といえる存在だ。

なお通常カラーに加え、海外ファクトリーマシンのカラーリングイメージを再現した「Monster Energy Edition」も設定される。
ユースライダーの走りを伸ばす、扱いやすさと戦闘力を持つYZ85LW/YZ85
YZ85LW/YZ85も2027年モデルで大きなアップデートを受けた。84㏄水冷2ストロークエンジンは、全域での扱いやすさを高める方向で進化している。

吸気系にはMotoTassinari製リードバルブ「VFORCE-4R」を採用。吸気抵抗を抑え、混合気の導入をスムーズにすることで、より扱いやすい出力特性を実現している。さらにエアフィルター吸気口の拡大、新作マニフォールド、ジェット類の見直し、YPVS特性変更、フライホイールマスの増大などにより、パワーバンドを拡大。クラッチ操作やシフト回数の減少にもつながり、ライダーが走りに集中しやすい特性となっている。
動力伝達系もアップデートされた。クラッチは摩擦材を変更し、ジャダースプリングを追加。トランスミッションでは使用頻度の高い3速/4速ギアの表面処理を見直し、信頼性の向上を図っている。YZ85ではドリブンスプロケットを46Tから47Tへ変更し、レスポンスや扱いやすさを高めている点も見逃せない。
車体では、フロント/アンダーエンジンブラケットやリヤアームブラケットの形状・板厚を変更。エンジンの出力向上に合わせて剛性と信頼性を最適化し、コーナリング時や大きなギャップでの接地感向上をねらっている。

さらに、フロントホイールベアリングをオイルシール付きに変更し、外装パーツに使うボルトの長さを14㎜に統一するなど、メンテナンス性も向上。上位モデルと同等のコンパクトなハンドルバーパッドや、燃料タンクブリーザーホースの小径・短縮化など、細部まで軽快感と扱いやすさを追求している。
熟成のトップモデルと2ストローク勢もYZファミリーとして継続
2027年モデルではYZ450F・YZ250・YZ125・YZ65もラインナップされる。いずれも主要な仕様変更は受けていないが、それぞれのクラスでYZシリーズらしい走りと存在感を備えたモデルとして継続販売される。

YZ450Fは、ヤマハのモトクロス競技用モデルを代表する450㏄クラスのフラッグシップ。力強い4ストロークエンジンと、レースシーンで鍛えられてきた車体パッケージにより、ハイレベルな走りを求めるライダーに向けた一台となっている。2027年モデルでも、YZシリーズの頂点に位置するモデルとしてラインナップされる。

YZ250は、2ストロークエンジンならではの鋭いレスポンスと、250ccクラスらしい力強さを備えたフルサイズモトクロッサー。シンプルな構成による軽快なフィーリングと、扱い切るほどに奥深さを感じられるキャラクターが魅力だ。4ストロークとは異なるダイレクトな加速感を求めるライダーにとって、今なお存在感のある一台だといえる。

YZ125は、軽量な車体と2ストロークエンジンならではのシャープな吹け上がりが魅力のフルサイズモトクロッサー。扱い切る楽しさと、ライダーのスキルを磨けるダイレクトな乗り味を持ち、2ストロークならではの走る面白さを味わえる一台だ。2027年モデルでは通常カラーに加え、海外ファクトリーマシンのカラーリングイメージを再現した「Monster Energy Edition」も設定される。

YZ65は、ユースライダーのステップアップに向けた本格的なモトクロス競技用モデル。コンパクトな車体ながら、YZシリーズの一員らしいレーシングイメージを備え、成長期のライダーが本格的なオフロード走行を学ぶための一台となっている。なお、YZ85LW/YZ85で採用されたオイルシール付きフロントホイールベアリングやコンパクトなバーパッドは、YZ65にも適用される。小排気量モデルであっても、整備性や扱いやすさへの配慮が加えられている点はうれしいポイントだ。
まとめ|2027年YZシリーズは本気で走るライダーに向けた進化版
2027年モデルのYZシリーズは、YZ250FとYZ85LW/YZ85を中心に、レースでの戦闘力と扱いやすさを高めたラインナップとなった。
とくにYZ250Fは、8年ぶりの新作エンジン、油圧クラッチ、YZ450F譲りのフレーム、専用セッティングのサスペンション、軽量化されたリヤブレーキなど、各部に大きな変更を受けている。250㏄クラスで勝ちをねらうライダーにとって、注目度の高いモデルといえるだろう。
一方のYZ85LW/YZ85は、パワーバンドの拡大や動力伝達系の見直し、車体剛性の最適化、メンテナンス性向上などにより、ユースライダーがより多く走り、着実に成長できるよう配慮された進化が魅力だ。
発売は2026年9月25日から順次(Monster Energy Editionは2026年10月23日発売予定)となる。予約受付は期間限定のため(11月29日・Monster Energy Editionは8月31日)、気になる人は早めにヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店でチェックしておきたい。なお、予約が生産計画を上回る場合は、予約受付期間終了をまたずに受付が終了となるので注意してほしい。
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